ショーペンハウエル『自殺について』

また題名に惹かれて買ってしまいました。彼は厭世哲学者として有名ですが、この本の中では自殺については肯定も否定もしていない感じです。全体的に斜に構えた世界観で、僕にはぴったりでした。意外と暗くならず、励まされました。文章は哲学書にしては読み…

誕生

「生まれる瞬間はじまる孤独の産声 還ろうと叫ぶ」新居昭乃『星の雨』より もしかしたら産声といものは、母体から切り離されこの世に一人ぼっちになることへの恐れからの叫び、あるいは全ての存在を包み込む母なる無(?)へともう一度還りたいという願いからの…

愛となみだ

「愛となみだはどっちが高い?」寺山修司『何にでも値段をつける古道具屋のおじさんの詩』より これを読んで思い出したこと。以前、好きだったひとに告白したとき、そのひとに泣かれてしまったことがあります。なぜ涙を流したのか、今でも不思議に思います。…

Mogwai『EP+6』

耽美派ポストロックの代表格。今のMogwaiよりこの初期の頃のミニマルな音のほうが断然好きである。この頃のMogwaiほど静寂の中にふつふつと湧き上がる感情を表現できた者はいないだろう。そして静寂から轟音へと突き進むカタルシス。列車から見下ろす淡く悲…

愛と悲しみ

「愛をいだいたがゆえに、悲しみをもよおす。」カミュ『太陽の讃歌』より 同様に愛と悲しみも表裏一体なのかもしれない。ただ、愛による悲しみは積極的なものだと信じたい。

愛と憎しみ

「愛と憎しみは全く同じものである。ただ、前者は積極的であり、後者は消極的であるに過ぎない。」グロース『犯罪心理学』より これよくわかります。愛と憎しみは表裏一体だと思います。人を愛せば愛すほどちょっとしたきっかけでそれは憎しみへと変わりやす…

ラッセル『幸福論』

「自分の関心を内へ内へと向けるのではなく、外界へとふりむけてあらゆることに関心を抱くこと。これこそが幸福獲得の条件であり、それは自己説得によって可能なのだ。」 幸福論か、いかがわしいな。幸福を目的とするなんて間違ったことだ。第一、幸福なんて…

作家の人生

作家の年譜を見るのが好きです。その作家がどんな人生を歩んだのかということは興味深いから。その人生に多くの苦難が描かれていると、ひどいですが嬉しくなってしまいます。この人こそ僕の師とすべき人だと思ったりして。それに対して、全く不幸や挫折を経…

愛と永遠

幸せは永遠ではありません。だから幸せな思い出だけは汚さずに永遠に心の中に残しておきたいと思うものです。僕には美しい思い出を辛い別れともに一瞬で汚してしまったトラウマがあるから、またこの思い出も汚されてしまうんじゃないかって時々恐れるのです…

柳美里『自殺』

「もっと生きたいから、ダラダラ生きてるのがイヤだから、自殺すると決めて、それまで生きようじゃないか」 なんて清々しい生き方だろうと思った。 死は生の彼岸にあるのではなく、この世の内側にある。死や自殺という言葉を一言でも聞くことさえ忌み嫌うよ…

お守り

傍らには致死量の薬がある。致死量24〜504錠の劇薬アナフラニールが今250錠くらいある。 別に今死にたいわけじゃない。これはお守り、生きることに恐れることはないという。いざとなれば死ねばいいんだから何も恐れることはない。死は自分の腕の中にある。 …